管理人Sakaiが藤田Barと始めて出会った時の思い出。
あれは2005年の事でした。
当時は大学院生でもう就職先が決まっており、来年には北海道から東京に行く事が確定していた。
あの時からしてすでに飲んだ暮れていた僕は、奨学金をすすきののバー巡りで浪費するというとても有意義な生活を送っていた。
すすきのの行き着けの中に「スコッチハウスクラン」という老舗のバーがあった。
1981年開店というから僕と同い年だなぁというところから入ってみたお店。今思うとそんな理由でよく入れたなというレベルのお店だった。若いというのは無鉄砲でいいことだ。。。
そのクランは今はもう閉めてしまっているのだけども、当時は僕も20代そこそこの若造ということもあってかクランのマスターには可愛がってもらっていた。
クランのマスターに東京に行く事になるって話をして、東京でもクランで飲んでいるようなおいしいお酒を出すお店を紹介してくれと相談してみた。
そこで紹介してくれたのが藤田Barでした。
僕がBar通いをせず、勇気を出してスコッチハウスクランに通わなければ藤田Barには出会えていなかった。
そういった意味で藤田Barをご紹介していただいたクランのマスターには大変感謝している。
僕が東京に出て働く上での支えになるお店を紹介してくれたのだから。
そんな感じで僕と藤田Barとのファーストコンタクトは始まるわけです。
あれは夏休みにはじめての海外旅行かつはじめての一人旅をした帰りでした。
クランのマスターに紹介いただいたお店に行ってみようと思い藤田Barのドアを開いたのでした。
タイから帰ってきたばかりで格好も汚いし、でかいバックパックは持ってるし、ひげはもじゃもじゃしてるしピアスはしてるしで、
今思えば藤田さんに追い返されてもおかしくない格好でお店に入った。
初めてのBarによくそんな格好で行くよなという、ほんと若いって無鉄砲だなぁって感じの格好だった。
当時の僕はあえて汚い格好でBarに入ってビール頼んでちびちびやって、
バーテンダーが舐めてきたところでメニューを見ずにモルトを頼むという遊びをよくやっていた。
それやるとバーテンダーの目が変わるのがおもしろかったのだ。
今思うと趣味悪いなと思うけども若いときは何でも面白かったんだと思う。
もしかしたら藤田Barもそのつもりで入ったのかもしれない。
お店に入るとまだ早い時間だからか藤田さんしかいなかった。
怪訝そうに僕を見る藤田さんにクランから紹介された事を告げ、クランのマスターからの紹介の名刺を藤田さんに渡す。
ほんとこれがなければ入れなかったと今なら思う。
なんとかお店に入って席に着いたのでとりあえずビールを注文する。
バーだろうとなんだろうととりあえずビールが飲みたかった。昔はバーでもとりあえずビールを飲んでいた。
でもビールを注文すると藤田さんが「うちはビール置いてません」と言うんです。
ビール置いてない?飲み屋なのにビールがないってどういうことだ?
「うちにきたらとりあえずビールでなくてとりあえずジンリッキーなんです」
そういうので、郷に入れば郷に従えという事でおとなしくジンリッキーを頼む。
カクテルの作り方もじっくりと拝見させてもらう。
バーテンダーがカクテルをつくる所作を楽しむのもバーカウンターで飲む楽しみの一つである。
20代そこそこの若造が偉そうにと今なら思うのだけども、当時は奨学金ですすきのの良い店かなり巡り歩いてたから、
おいしいカクテルもまずいカクテルもそれなりに飲んでるつもりだった。
そういった意味で藤田さんのカクテルの作り方はすこし不安であった。今ならわかるけども初見だと不安だった。
まずもってステアの仕方が炭酸を扱っているとは思えないほど雑に見えた。
「大丈夫かな?」一抹の不安がよぎるのだが、クランのマスターが紹介してくれたお店だし、
カクテルでなくてもモルトを飲めば・・・そう思ってバックバーに目をやるが、バックバーには僕が飲みたいと惹かれるようなウィスキーはなかった。
思いを巡らせながらジンリッキーを一口飲む。
!?
衝撃だった。いや。ほんと。マジで。
ジンリッキーってこんなにおいしかったっけ?
シロップかなんか入れた?なんでこんな味が丸いの?
ジンを使ってるはずなのにジンの刺々しさが全く無く、むしろ甘みすら感じる。
こんなジンリッキーを飲んだのは初めてだった。
いや。若造がこんなこと思うというのもなんだけども、ほんとこんなおいしいジンリッキーは初めてだった。
これが藤田Bar、藤田リッキーとのファーストコンタクトであった。
ファーストコンタクトは衝撃のうちに始まり、バーテンダーを負かしてやろうと意気込んでいた若者は完敗したのだった。
いやしかし、なにか細工があるに違いない。シロップ的なものを入れていたに違いない。
でもそれでジンの刺々しさが取れるのだろうか?よくわからないが、とりあえずここはもう一杯。
出されたジンリッキーを飲み干してもう一杯ジンリッキーを注文する。
今度はより注意深くカクテルをつくる動作を観察する。
炭酸を注ぐ際に「アッ!」とか言って入れすぎちゃったりして、やっぱりステアがガチャガチャしすぎてて、
今度こそダメだろうと思ったのだけども驚いた事に全く同じ味。
そんなバカな。。。狐につままれた思いでいると、藤田さんが
「ご飯は食べましたか?おなかすいてるでしょ。何か作ってあげますよ」
といって何か作り始めた。僕はおなかすいているとも何も言ってないのに勝手にゴソゴソやってトーストとクリームチーズを出された。
確かに何も食べてなかったのでまあいっかと思っていただく。
バーなのにこんなに景気よく炭水化物出してどうすんだろうと思ってこれを食べるとまたびっくり。
うまい!うまいうまいうまい!うまい!
腹が減ってるというのを差し引いてもうまい。
そうこうしているうちにまた勝手に料理が出される。
野菜のサラダだ。平凡な感じに見えるがこれもまたおいしい!
なんだこのドレッシングは。めちゃくちゃおいしい!
お酒もおいしいし料理もおいしい。
なるほどこれはきてよかった。心からそう思ったのと同時に東京に出てきても安心だとも思った。
そんなこんなで藤田Barデビューしたのでした。
ここから今に至るまで藤田Barにはお世話になっています。
若さ故たらふく食べてたらふく飲んでしまった。
でも確かこのときお金を払っていない。
それはまた別のエピソードとして書きます。
長くなってしまった。
でも藤田Barの思い出書いていくと大体こうなる気がする・・・





